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フルリモートワークとスクラムの親和性

2024-07-01

個人的に、フルリモートワークとスクラムは親和性が高いと思っていまして。

今回はその根拠について書いていこうと思います。


まず前提として、開発を行う際にスケジュール感やタスク感を洗い出していないというのは結構な問題だと思っていまして。

トップダウンで締め切りや仕様が降りてくるのは当然の話であって、それに対しボトムアップでスケジュール感やタスク感を提示するのは当然なことだと思います。

いわゆるビジネスサイドと開発サイドのコミュニケーションを円滑に回すためにウォーターフォールやアジャイルといった開発手法が採用される側面は決して弱くないと思っています。


とはいえウォーターフォールをマネジメントできるヒトというのは相当稀有な存在だと思っていまして。

かなりの経験を積んでいなければ、おそらく現実的に回すことは不可能ではないかと個人的には。

自分も 10 年ほど前にいくつかウォーターフォールに開発メンバーとして参画しましたが、大概うまくいかなくてグダグダしたり、起きた問題を隠蔽してさも問題ないかのように振る舞ったり、まぁそんなことばっかりでした。


一方スクラムであれば、比較的理想論ではあるよなーと思いつつも、ウォーターフォールよりはいくらかハードルが低く導入コストも低いと思っています。(というかそうでなければここまでアジャイルアジャイル言われないと思いますし)

とはいえスクラムはスクラムで問題がないかと言えばそんなこともなく。

ウォーターフォールと比べると比較的小規模なプロジェクトで採用されるため、必然的に各々がある程度の経験を積んでいる必要があり、一定プロフェッショナルでなければ回りきらないかなと。

様々な現場でスクラムマスターとしてスクラムを導入してきましたが、思いのほかスムーズに回る現場もあれば、なかなかどうしてうまく回らない現場もあり、それこそが現場の実力だなーと感じざるを得ないわけです。


個人的にはスクラムというフレームワークは非常に好きでして。

上にも述べた通り、すべてを完璧に回すのは理想論であると思いつつも、比較的現実的な範囲でスケジュール感やタスク感を洗い出せる点は優れているよなと。

もちろんそれらを実現するにはしっかりとしたプロダクトオーナーの存在が求められるのは言わずもがなですが、一定やる気や気力でカバーできるのもなんだかんだで好きな理由の一つだったりします。


で、ここからが本題なのですが。

スクラムとフルリモートワークって親和性が高いと、個人的にはそこそこ強く思っています。


コロナも落ち着き(?)、全体的に半リモートワークやフル出社の現場が増えてきつつありますが。

なぜ会社は社員を出社させようとするのか。

答えは簡単で、リモートワークを導入すればするほど生産性が落ちるからに他ならないわけです。


一方、リモートワークを導入すると生産性が落ちる原因についてきちんと言及しているエビデンスはあまり目にしたことがありません。

まぁ、自分もここ 3 年ほどフルリモートワーカーとして働いてきた身なので、理由はなんとなくお察しですが、みんな周りの目がなければそりゃサボりますよね。

サボればその分プロジェクトの進行速度は落ちます、当たり前ですね。

だから出社させることによってサボらないようにする必要があると、非常に現実的で良い落とし所だと思います。


とはいえ、例えば開発メンバーからすると、出社なんてしたくないヒトが大半です。

たまーに出社好きのヒトもいますが、どちらかといえばマイノリティかなと。

自分もフルリモートで働きたい派だったりします、身だしなみを整えるのは面倒ですし、出退勤の時間でプライベートの時間が削られるのは結構な苦痛です。


個人的に、そもそも勤務中にサボることって別に悪いことだとまったく思っていません。

とくにプログラマーなどは、8 時間の勤務時間中ずーっと集中してコーディングできるヒトなんてほとんど存在しないよなーと。

気分が乗っている日もあれば乗っていない日もあるわけで、毎日常に同じパフォーマンスを発揮できるヒトなんて早々いないと思います。


では何が問題なのか、そもそもスケジュール感やタスク感が曖昧なことが問題だと強く思っています。

例えばステークホルダーから仕様が降りてきた際、プロダクトオーナーが優先度を決定し、エピック単位でプロダクトバックログを洗い出し、開発メンバーがプロダクトバックログに見積もりを行う。

見積もりを行うことでスケジュール感が見えてくるわけですから、プロダクトオーナーはスプリントが進むに連れプロジェクトの健康度が一定把握できるわけです。

またスプリントを回すことでタスク感が明確になり、必然的に締め切りが定まるため、開発メンバーはそれさえ守れば良いわけで、これは出社の如何に何も依らないはずなのです。


日本ではめちゃくちゃ曖昧なスクラム(それをスクラムと呼ぶかはともかくとして)を導入している現場がめっちゃくちゃ多いですが、それこそが問題だよなーと。

繰り返しになりますが、きちんとスケジュール感とタスク感を洗い出せば出社の如何はさほど問題になりません。

あとは迅速かつ円滑なコミュニケーションさえ行うことさえできれば、フルリモートワークであったとしてもなんの問題も起きません。

そういった部分から目をそむけ、脳死でフルリモートワークはクソみたいな結論に至るのは愚の骨頂だよなーと思う、今日このごろです。

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