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プロダクトの完成はマネタイズの開始という話

2024-02-07

プログラマーという職業柄、どうしてもプロダクトの開発やプロジェクトの推進に目に行きがちではあるんですが。

プロダクトが完成してリリースしない限りマネタイズが発生しないわけで、会社としてはプロダクトが完成するまではずっと準備運動な時間なわけです。

で、多くのエンジニアはプロダクトの完成をゴールだと思っている節があるよなーと、たまに感じることがあります。


確かにエンジニアにとってプロダクトの完成は開発のゴールかもしれません。

しかし会社にとってはようやくスタートを切れる状態に至ったに過ぎず、ここがビジネスサイドと開発サイドで温度感に大きく溝が生じやすいのかなと。

プロダクトの開発中、開発メンバーは頑張って開発を進めていきます。

一方ビジネスサイドのメンバー、たとえば CEO だったり営業だったり、その期間は非常にもどかしい思いをしているわけです。

で、開発というのは往々にして遅延が発生します、そこにはまぁそれはそれはさまざまなケースが存在するのですが。

そうするとビジネスサイドのメンバーはさらにもどかしくなる、とくに CEO なんかは自分の首をかきむしりたくなるほどにもどかしい思いをしているのではないでしょうか。


今まで多くの現場で働いてきて、多くのエンジニアとともに仕事をしてきましたが。

エンジニアというのは比較的お金にむとんちゃくな人が多い気がします。

とくに会社のカネにスコープをあててみると、余計にピンと来ていない人が多いんじゃないかなと。


たとえば先の例でいうと、仮にプロジェクトが 1 ヶ月遅延しそうです、みたいなことを平然とのたまうエンジニアって結構いるんですが。

1 ヶ月の遅延って、会社に与える金銭的なインパクトって結構半端じゃないわけです。

たとえばチームが 5 人で形成されていて、1 人あたり月単価 50 万円支払われているとすると、それだけで最低限 250 万円の追加投資が必要なわけです。

加えて 1 ヶ月リリースが遅れるわけですから、少なくとも 1 ヶ月分のマネタイズが発生しなくなるわけで。

そういった諸々を考慮すると、おそらく想像よりも大きい額の損失が発生しているわけです。


ちなみに余談ですが、自分がこのことに気づいたのは大学を留年したことによります。

社会人になってふと『あれ、自分は 1 年留年したってことは 1 年分余計に学費がかかるだけじゃなくて、1 年分得られるはずだった収入が手に入らないよな』と。

もっと言うなら年金や積立なども同じわけで、たかが 1 年、されど 1 年だなと。

留年なんかするもんじゃありません。

それを言い出したら大学なんか行かず就職したほうが良いんじゃないか、みたいな話も出てきそうですが、それはそれということで 1 つ。


話を戻して、プロダクトの完成というのは、早ければ早いほうが良い、これはもう絶対です。

ただ速度感だけを求めた結果、実装がめちゃくちゃだったり必要なテストが書かれていなかったりドキュメントが揃っていなかったりしたら、ちょっと本末転倒感がありますよね。

なのでそこのバランス感が非常に重要だとは思うのですが、それを踏まえても速度感は絶対に蔑ろにはできません。


では速度感を出すにはどうしたら良いのか。

個人的な経験による意見にはなりますが、例として以下のような選択肢は取れるのかなと。

  • 人数は最低限にする
  • コミュニケーションコストを軽視しない
  • 仕様を最低限にする
  • リソースの持つ実力を正しく見極める
  • 余計なミーティングや会議を開催しない
  • プラスを行う前にマイナスを行う

いちいち説明はしませんが、ここらへんを軽視している現場は比較的多いのかなーという印象です。


繰り返しになりますが、プロダクトの完成はゴールではなくスタートである、この認識はポジションを問わずある程度重要なのかなと思います。

以下に速度感を持ってプロダクトを完成に近づけるか。

そのために打てる施策というのは、気づいていないだけで意外と多いんじゃないかなーと思う、今日このごろです。

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