AIのなにが悪いのか
Pixiv をはじめ、各種投稿サイトが AI を排除する姿勢を取り始めている。
【011】オモコロ杯 ~人間の底力~ ―ニュース!オモコロウォッチ!
が、個人的にはその姿勢は間違っていると思っていて、『AI か否か』みたいなことを考えるのはムダでしかないと思っている。
たとえばイラストに限った話で言えば、無料の 3D 背景素材をそのまま使ってイラストを投稿するのは許容されて、AI を使用したイラストは NG というのは、なんとも滑稽な話である。
小説に限った話で言えば、人間が書いたか AI が書いたかというのはその作品の面白さとは何ら関係がなく、結局のところ著作権があーだお金がどーだの問題でしかないわけで。
上記の音声では「いたちごっこ」という表現が使われているが、まさにそのとおり。
そのモノが AI か否かなんてことは考えること自体が時間のムダでしかないわけで。
では今後はどういう方向に舵を切っていくべきかと聞かれたら、答えは簡単。
AI と共存していく方向にしていくしかありえない。
繰り返しになるが、AI であろうと人間であろうと、作り出されたモノの良さには変わりないわけで、そこを勘違いしてはいけない。
『人が作った作品のほうが温かみがある』とか『AI が作った作品には魂がこもっていない』などという幻想主義者の意見はさておき。
私達はおもしろい小説を読みたいのか、人間が書いた小説が読みたいのか。
AI が書いた小説がおもしろいかどうかはともかくとして、そこを間違えてはいけないと思う。
モノヅクリが人間と AI が共存していく世界になるのはもう本当に時間の問題だが、その一方で解決しなければいけない問題もある。
個人的にもっとも大きな問題だと思っているのが、AI による作品の乱立である。
AI を使用したモノヅクリは、人間によるモノヅクリとは異なり、ものすごい速度で行われる。
それすなわち、世の中が今まで保ってきたベロシティをいともたやすく狂わせてしまうわけで、作品を保管したり管理する側にしてみればたまったものではないだろう。
上記の音声でも投稿作品が指数関数的に増えたと言っていたが、この問題についてはなかなか解決の糸口が見つからない。
今後 AI と人間が共存していくと、世界はどうなるのか。
仮に 100% 良い方向に進んでくれたのであれば、働かなくても良い人口が、これまた指数関数的に増えていくのだと思われる。
小説家やライターは今すぐにでも職を失うだろうし、イラストレーターなんてもってのほかだ。
また自分を含めたプログラマーも時間の問題で、最終的にはすべての職業に大なり小なり影響が出るはずである。
これはとても喜ばしいことなので、早く働かなくてもある程度満足した生活を送ることができる社会の整備が求められる。
あー、早くプログラマーが不要な世界にならないかなー。