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プロダクトオーナーと性善説の微妙な関係

2023-02-19

まともなスクラムのもと、開発を行ったなーと感じたプロジェクトは過去 2, 3 プロジェクトほどしか記憶にないのですが。

そのすべてのスクラムにおいて、プロダクトオーナーは開発の経験をほぼ持ち合わせていませんでした。


一般的に、プロダクトオーナーもある程度開発の経験を持っておいたほうが良いという風潮のほうが強いのかな?と感じるのですが。

そうはいってもスクラムの知識を持ち、開発の経験を持ち、さらにプロダクトオーナーとしての職務をまっとうできるヒトが世の中どれくらい存在するのか。

考えうる限りでも相当なパーフェクトヒューマンな気がします、単価エグそう。


ということで、基本的にはプロダクトオーナーに開発的な知識を求めるのは酷だと思っていますが。

開発の経験が弱いがゆえに、どうしても開発メンバーの言うことが半分も理解できないまま、性善説で開発に OK を出してしまうケースというのは少なくないと思います。

ただこれ自体は別に問題はなくて、むしろアプローチとしては普通のことです。

むしろ問題は開発メンバーにあって、開発メンバーの提案事項ややろうとしていることがそもそも間違っていたり、開発メンバーの技量以上のことをやろうとしているケースが散見されており、それがいかんよなぁと常々感じます。

とくに経験の薄い開発メンバーがそろっているスクラムの場合、与えられた要件定義が開発メンバーの技量以上であることすら判断できない状態で開発が始まってしまい、開発の中盤〜終盤で「やっぱり無理でした」みたいなケースはまったく少なくないです。

で、本来ならもっと早い段階で何らかの手を打つべきなのですが。

プロダクトオーナーは開発の経験を持ち合わせていないので、そもそも実現が可能なのか不可能なのか判断がつかない。

開発メンバーは経験不足がゆえに、自分たちの実力で実現が可能なのか不可能なのか判断がつかない。

こうなるともうどうしようもないです、どちらかといえば悪いのは開発メンバーな気もしますが、スクラムがゆえに連帯責任ですよね。


でもこれってもうある程度はしょうがないことです。

上にも書いたとおり、デザインもフロントもバックエンドも完璧に理解したプロダクトオーナーなんて存在しないですし、プロダクトオーナーは性善説で OK を出すことしか基本的にはできません。

もちろんある程度自分で調べたり、開発メンバーに質問をして軽く掘り下げたりすることは可能かもしれませんが、基本的には焼け石に水でしかないかなと。

そもそも日本の現場における採用は技術力軽視な側面が強いので、なおさらまともに開発を行うことは難しいのかなと。


自分はプロダクトオーナーの経験を持ち合わせていないので、開発メンバーとして、もしくはスクラムマスターとしてプロダクトオーナーを見てきましたが。

まー大変ですよね、プロダクトオーナーって。

自分くらいはせめても常にプロダクトオーナーの味方でいたいなーと思いつつ、なかなか難しいと思う今日このごろです。

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