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リモートワークの是非

2022-12-01

リモートワークをはじめて 2 年半以上が経過しました。

この 2 年半、さまざまな現場で働かせていただきましたが、リモートワークに対する考え方というのは人によってバラバラな印象を受けました。

そこで、個人的なリモートワークに対する考え方をざくっと書いていこうと思います。


前提

リモートワークに対する考え方は、大きく以下のポジションによって考え方が異なる印象を受けました。

  • 下のポジション(プログラマー、デザイナー)
  • 中のポジション(プロダクトオーナー、ディレクター)
  • 上のポジション(ステークホルダー、代表取締役)

今まで話を聞いてきた限りでは、基本的に下のポジションの人はみんなリモートワークをやりたがっていて、中のポジションの人も比較的リモートワークを望んでいる人が多く、上のポジションの人は人によって意見が割れる印象を受けました。

ということで、ここからはリモートワーク賛成派と反対派の両意見を踏まえ、自分の考えを書いていこうと思います。

リモートワークのメリット

プライベートが充実する

リモートワークのもっとも大きなメリットは、働き手のプライベートの充実、QOL の向上、これに尽きると思っています。

単純に出勤に片道 45 分かかっていたとすれば、往復 1 時間半、リモートワークの導入によりプライベートの時間が増えることになります。

また服や化粧などの身だしなみに費やしていた時間も踏まえると、プライベートに使える時間がグンと増えます。

加えて、満員電車や天候によるストレスや、職場の雰囲気、他人の目などから開放されるため、疲労感もグッと減ります。

飼っているペットとも常に一緒にいれますし、ペットやお子さんを常に手に届く範囲で見られることは、安心感も強いと思います。

自分もリモートワーカーになってプライベートに費やせる時間がめちゃくちゃ増えたので、これは本当にありがたいですよね。

オフィスが不要になる

一方で会社側のメリットとしては、オフィスが不要になるのがもっとも大きなメリットかなーと思います。

事実、過去に働かせていただいた現場は、オフィスを移転して縮小しており、ほぼ役員の席しか存在しない小さなレンタルオフィスを借りていました。

東京だととくにオフィスの維持費用も半端じゃないと思いますし、電気代や通勤代、その他諸々の経費が浮くのは結構馬鹿にならないんじゃないでしょうか。

リモートワークのデメリット

コミュニケーションが取りづらい

リモートワークをしていて一番やっかいなのが、コミュニケーションの取りづらさだと思います。

自分はぼちぼちシニアプログラマーになりつつあるので、わからないことを誰かに聞くみたいなことはかなり減ってきましたが。

これが若手の頃であれば、先輩に技術的な質問をしようとしたときに隣の席にすぐ聞けるか、いるかいないかわからない状態でチャットを飛ばして待つのでは、全然感じが違っただろうなーと想像に難くありません。

またレスポンスが遅い人もいますし、人によっては返信を翌日まで待たせてきたり、そもそも返信してこなかったりと、最悪なケースもしばしば目にしてきました。

とくにプロダクトオーナーあたりは死ぬほどメンションが飛んできているので、すべてを捌き切るだけで一日が終わってしまい、自分の業務が進まず困っているといったケースも目の当たりにしてきました。

相手の表情がわからない

これはすべての現場に共通しているわけではないのですが。

たまに通話時にカメラをつけないのが当たり前、みたいな現場があったりします。

Slack のハドルで済む程度のことであればまだわからなくもないのですが、たとえばスクラムのイベントで相手の表情が見えなかったりすると、正直不気味に感じます。

自分は相手の表情を確認しつつコミュニケーションを行うことはめちゃめちゃ重要だと考えているので、通話時にカメラをつけないというのは、はっきり言って意味不明です。

リモートワークであれば、可能な限り出社時と同じような状況を作り出すことがとても大切だと思っているのですが、カメラをつけることを嫌がる人って、出社時は紙袋でもかぶってしゃべってるんですかね?

開発の進捗が遅くなる

リモートワークを行うと、出社時と比べどうしてもコミュニケーションコストが発生するため、必然的に開発の進捗が遅くなり、例外は存在しないと思っています。

しゃべるコミュニケーションについては上に書いたとおりですが、他にも物理的なホワイトボードが使えないのもなかなかの痛手になります。

とくに Miro のようなオンラインホワイトボードサービスは有料版が結構な価格なため、なかなか手を出しづらく大きな壁となります。

リモートワークでサボる人は出社時もサボる、は半分ウソ

リモートワークでサボる人は出社時もサボる、というのはよく耳にしますが、これ自体は紛れもなく正しいと思っています。

日本人は働いているフリをするのがとても得意な人種だと思っているので、リモートワークだろうと出社しようとサボる人はサボるんですよね。

一方、出社時にまじめに働いていた人はリモートワークでもまじめに働くかというと、流石にそんなことはないよなーと思っていまして。

他人の目というのはなかなかどうして強迫観念に強く迫ってくるため、リモートワークによってそれがなくなった途端にサボってしまう人も出てくるのは当たり前かなと。


基本的に、中〜下のポジションの働き手にとってはプライベートの充実よりメリットが大きいですが。

一方で会社としてはやはりデメリットのほうが目立つのかなーというのが正直な意見です。


ここからは、個人的に考えるリモートワークとの向き合い方について書いていこうと思います。

会社が働き方を定めるべきではない

まず個人的に 1 番言いたいこととして、会社が働き手の勤務形態を制限すべきではないと思っています。

出社したい人は出社すれば良いし、リモートワークしたい人はリモートワークをすれば良い、個人的にはこれを強く推したいです。

なぜ会社が出社かリモートワークかを押し付けてくるのか、自分にはまったく理解できません。

学生時代の試験勉強と一緒で、家での勉強が合っている子もいれば、図書室や図書館、塾の自由室があっている子もいるわけで。

各々に合った環境を各々が選択できる、これがもっとも自然で当たり前な状態になってほしいなーとめちゃくちゃ思っています。

ただ、リモートワークだとサボる人も間違いなく出てくると思うので、そういう人には出社を義務づける一定のルールも必要だと思います。

成果主義を統一する

これも個人的にすごく強く言いたいのですが。

仮に自分がテックリードだったとして、自分の下に就いたメンバーがどれだけ仕事をサボろうと、まったくどうでも良いと思っています。

仕事において大切なことは、やるべきことを期日内にやっているかどうか、それだけだと思っています。

今の日本の職場において欠けているのが成果主義的な考え方であって、やることをやってくれれば過程はどーでも良いわけです。

とくに今までの日本だと、期日より早くタスクをこなしてしまうと期日外のタスクを振られる、みたいなことが当たり前のように行われていましたが、これが非常にヨロシクナイ。

こういうタスク振りを当たり前のように許容してきた結果、さっさと仕事を終わらせたのに報告を遅らせたり、わざとゆっくり仕事をしたり、仕事をするフリをする働き手が大量に生まれてしまったわけです。

期日内のタスクを早めにこなしたのなら、残りの時間はその人の自由時間であるべきです、これは徹底すべきだよなーと。

ゆえにスクラムの導入に話が繋がるわけで、結果的に成果主義となるわけです。


この 2 つが守られれば、比較的リモートワークであってもうまく仕事って回るのかなーと思っています。

ただ繰り返しとなりますが、リモートワークは出社時と比べ間違いなく生産性が落ちます。

だからといって出社を義務づけてしまうのは、個人的に反対派です。

仕事に効率を求めつつ、働き手の幸せを会社が提供し、結果互いに良い方向に進めることが、令和の働き方なのかなーと個人的には。

とかく成果主義を徹底するにはスクラムを導入することが大切だと思っています。

ひいては頭のキレるプロダクトオーナーの配置が重要になってくるわけで、プロダクトオーナーの育成はどこの現場ももっと力をいれるべきじゃないかなーと思いつつ、今日このごろです。

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