ADHDの妻のWAIS-IVの結果が返ってきた
先週妻は WAIS-IV 知能検査(以下 WAIS)を受けてきまして、昨日検査の結果が返ってきました。
本題へ入る前に、そもそも WAIS とはなんぞや?というところを簡単に説明をば。
WAIS-IV 知能検査とは、ウェクスラー成人知能検査の略で「うぇいすふぉー」と読みます。
内容としては、「言語理解能力」「知覚推理能力」「ワーキングメモリー能力」「処理速度能力」、そしてこれら全検査から判断される総合的な能力を数値化してくれる検査となっています。
算出される数値はいわゆる IQ というやつでして、その値によって成人の持つ各能力が大きく以下のように評されます。
- 130 以上:非常に高い
- 120 〜 129:高い
- 110 〜 119:平均の上
- 90 〜 109:平均
- 80 〜 89:平均の下
- 70 〜 79:低い
- 69 以下:非常に低い
ADHD の方の場合、算出された数値によってその人の持つ得手不得手を明確にし、的確なアドバイスを受けやすくなるといったメリットが享受できます。
妻が通っているゆうメンタルクリニックにも WAIS に関する記事 が上がっていますね。
で、妻の結果は以下の通りでした。
- 言語理解:79(「低い」〜「平均の下」)
- 知覚推理:84(「低い」〜「平均」)
- ワーキングメモリー:88(「平均の下」〜「平均」)
- 処理速度:85(「低い」〜「平均」)
- 全検査:80(「低い」〜「平均の下」)
この結果に妻は相当ショックを受けたようで、昨日はずっと泣いていました。
試験後は「平均くらいはあるかなー」と言っていたので、まさか平均を大きく下回っているとは思ってもみなかったようです。
ちなみに 10 項目の検査を受けたところ、1 項目のみギリギリ平均点で、残り 9 項目はすべて平均以下でした。
WAIS の検査結果報告書には、各数値の他に検査実施者の心理士の方からの報告も書かれているのですが。
ほぼ全体に渡ってポジティブなことは書かれておらず、いわゆる ADHD の症状に近い内容が書かれているのもショックを増幅させたようです。(ちなみに心理士の方は妻が ADHD だとは知りません)
また心理士の方による口頭でのアドバイスも現状維持を大切にするよう言われたようで、これも追い打ちに近かったようです。
妻の中でもっともショックだったのが、突出した能力が存在しなかったことみたいでして。
ADHD の方の場合、得意な分野を伸ばして仕事に活かしたり、得意な分野で苦手な分野をフォローするといった生き方が重要になってくるようなのですが。
あくまで WAIS の結果の話ではありますが、妻には得意分野がないため、得意なことを伸ばすどころか、苦手なことをフォローすることすら厳しいということになります。
「せめて 1 つでも良い結果が出ていれば…」と言っていましたが、自分の語彙力ではかける言葉が見つかりませんでした。
対して、自分のこの結果に対する正直な気持ちとしては、妻の持つ能力通りの結果が出たのかなーと思います。
妻は元々自身のことを過大評価するタイプなので、大きくショックを受ける気持ちもわかります。
とはいえ、たとえば妻はコミュニケーションが苦手なタイプというわけでもないのですが、それはあくまで仕事であったり、妻が聞き手に回っているときはスムーズなだけでして。
プライベートにおける自分とのコミュニケーションはひどいもんです。
妻自身のことはめちゃくちゃしゃべるのですが、こちらがしゃべりかけてもほとんど理解できていないようで、話を遮って自分の話に持っていくクセを持っていまして。
また以前ブログに書きましたが、食事に対する感想の異常な語彙の少なさや表現力の乏しさ、説明の下手さはやはり性格の一言では済ませることができないレベルかなと。
で、そういった部分がフィードバックにまざまざと書かれているので、自分が思っているよりも妻の状態は良くないのかなと、しみじみと考えさせられました。
フィードバックに書かれている中で、自分が目についた内容としては。
集中と注意の持続に関してはバラツキがあるように感じられました。
問題の解答以外の発言が多く見られ、緊張や不安を感じる場面で、自分の気持ちを言葉に出さずにはいられない傾向をお持ちなのかもしれないと観察されました。
抽象的な考えを言語化することの困難さ、言語化するときの語彙の乏しさ、また、単語の意味を部分的、もしくは誤って理解している傾向が見受けられました。(言語理解)
一般的な知識を理解し自分のものにすること、それを記憶し必要な時にアウトプットすることに苦手意識をお持ちかもしれません。(言語理解)
時間制限の無いテストでしたが諦めが早い印象が見受けられました。(知覚推理)
耳で聞いた情報を単純に記憶することには苦手さはない一方、複数の情報を一時的に記憶して考えることは困難なように見受けられました。(ワーキングメモリー)
視覚的な情報の仕分け、区別よりも、視覚的な連続処理の方が苦手な傾向があるかもしれません。(処理速度)
得意だと思われることがほとんど書かれていなかったので、本人の苦手なことを少しずつ努力で伸ばしていくしかないのかなーと思われるのですが。
いかんせん努力を死ぬほど嫌うタイプで、加えて自分の言うことやアドバイスは一切聞かないタイプなので、自分からはほぼどうすることもできません。
幸い、メンタルケアの先生の言うことは比較的素直に聞くので、本人の今後についてはそちらにおまかせして、後は野となれ山となれかなと。
自分の目から見る妻は、ここ数年はとくに運に恵まれている人生を歩んでおり、常に実力以上の環境に身を置いているように見えます。
それゆえに努力を怠るタイプで、絶対に自分の興味のあることしかやらないので、本当にわがままな子供のように見えます。
今後もメンタルクリニックには通い続けるようなので、ADHD としてどう考え行動すべきなのか、もう少ししっかりと考えてほしい限りです。