ADDの妻を持つ旦那である自分
たまにしかブログには書いてこなかったんですが、自分は既婚者でして。
ぼちぼち 7 年目の付き合いになる妻がいます。
そんな妻から「心療内科に行ってこようと思う」と先月言われました。
恋は盲目とはよく言ったもので。
付き合う前はまったく気づけなかったのですが、いざ付き合い始めてから妻に対して『ん?』と違和感を覚えることが増えていったのは間違いなく事実でして。
結婚する少し前くらいからはほぼ確信になっていました、彼女は ADHD だなと。
そんな元彼女、現妻ですが。
自分から見た ADHD らしい症状は以下のとおりでした。
- 電気の消し忘れ
- 鍵の閉め忘れ
- 家を出る時間を守れない
- 忘れ物が多い
- なにかに集中しているときは何も聞こえない
- 興味のないことに対する異常な拒否感
- 同じ飲食店では同じものしか頼まない
- 会話中に目線が動き回る
- 適当な相槌
- 面倒な物事を先延ばしにする
- 床に物を置く
- リビングに服を脱ぎ散らかす
などなど、書き出したらまぁきりがないです。
全部が全部 ADHD かどうかはわからないですが、多くは多分それ起因だろうなと。
で、誤解がないよう言うなら。
正しくは ADHD ではなく ADD、つまり多動性は認められない感じでした。
なので以下についても ADD と書くことにします。
そんな妻を持つ自分はというと、数年前から少しずつ性格に変化がありました。
もともとはまったく怒るようなタイプではなく、声を荒らげるようなこともなかったです。
ですが妻に対して何百回何千回と注意をしてきたところ、すっかり怒りっぽい性格に変わってしまいました。
最初の方は優しく指摘していたのですが、あまりに同じミスを繰り返すのでじょじょに苛立ちを抑えられなくなってきまして。
結果、すっかり人が変わったなと、自分のことながら悲しいばかりです。
そのため、去年あたりから離婚を考え始めました。
とはいえうちでは老犬を飼っており、離婚した場合おそらく妻が連れて行くことになるのですが。
重い心臓病に始まり多くの病気を患っており、毎月かかる診療代と薬代だけで結構な費用が飛んでいる現状。
妻の収入だけではとてもじゃないですが支払いきることはできません。
余命も今年いっぱいがせいぜいだと宣告されており、そんな我が子を見放すのは飼い主として最低だろうと。
そのため、この子が亡くなったあとに離婚の話を進めるのが筋だろうと、心のなかでぼんやりと考えていました。
そんな先月の春先、冒頭の話に戻るのですが。
妻が鈴木大介という文筆家の方の文章を読んで、心療内科に行くことを決心したと言ってきました。
実際に読んだのが現代ビジネスのコラムとのことでして、自分はさっき無料のやつをいくつか読み終えました。
上にも書いたとおり、妻は興味のないことや嫌なことに対しては異常に拒否感を示してきます。
ADHD の理解についても 2, 3 年前くらいから何度も話をしていまして、一度心療内科に行ってきたらどうか?と、結果が出れば関係性が良くなるかもしれないと言ってきました。
その一方で本人は至ってどこいく風、自分にはまるで関係のない話だと言わんばかりの態度を示していました。
そんな彼女が自ら「心療内科に行く」と言い出したのですから、結構衝撃を受けました。
なんだ、どうした?なにか悪いものでも食べたのか?と。
そこで詳しく話を聞いてみたところ。
【たまたま Twitter で目についた先のコラムを読んだところ、旦那(つまり自分)が怒りっぽい性格になったのは完全にカサンドラ症候群であって、コラムに同じ症状の男性が出てきた。】
【つまり旦那が怒りっぽい性格になってしまったのは、自分が発達障害のせいかもしれない。】
【このままだと良くないから、一度心療内科に行って検査を受けてみようと思った。】
とのことでした。
この話を聞いたとき、離婚まで考えていた自分の複雑な気持ちったら、筆舌に尽くしがたいです。
妻が自らなんとかしようとはじめて行動してくれたことに対する嬉しさも大きかったのですが。
一方で数年に渡って何回も「行ってきたらどう?」と怒りを押し殺して勧めてきた自分の努力は一体何だったのか。
旦那の悲痛な叫びは平気でスルーするのに、見知らぬ他人のコラムに影響されてあっさり行動するのかと…。
どちらかといえ悲しさのほうが大きかったのですが、とにもかくにも心療内科に行こうと思ってくれたのはありがたかったです。
そこからすでに 3 度ほどゆうメンタルクリニックに行ったみたいでして。
簡易的な検査を受けたところ、ADD の傾向があると診断されたとのことでした。
で、今度は WAIS-IV を受けてみることにしたので、さらに詳細な結果が得られそうです。
おそらく WAIS-IV を受けたことがある方はそこまで多くないと思うので、これについてはまた来月あたりにレポを書こうと思います。(自分が受けるわけではないですが)
改めて自分の目から見た妻は、ADD の傾向と ASD の傾向があると思っています。
今はコロナ渦ということもあり、自分も妻もリモートワークが主なので、普段から妻の仕事の様子もよく見えているのですが。
妻は仕事で大きくミスをするタイプにはまったく見えません、仕事上のコミュニケーションもそつなくこなしているように見えます。
ところがプライベート、つまり自分とのコミュニケーションや普段の生活となると、とたんにボロが出まくります。
加えて、リモートワーク中の妻の集中力はちょっと異常な感じです。
妻はゲームが大好きなのですが、ゲームに集中しているときと同じような感じなんですよね。
このときは軽く話しかけても聞こえないみたいで、とにかく集中力を切らすとミスをするみたいです。
つまり逆を返せば、自分とのコミュニケーションでは気を抜いており、そのせいで日常会話ですら理解が追いつかないみたいです。
そんな絶賛カサンドラ症候群な自分ですが、離婚についてはいったん置いておいて、もう一度妻をしっかりと観察していこうと思っています。
もちろん ADD や ASD は生まれつきのものであって、治るものではありません。
ただ ADD が ASD が治らないのあって、1 つ 1 つのミスややらかしについては、対処していくことが可能だと思っています。
事実、以前はやらかしていたことが矯正できたこともいくつかあるので、ADD の妻を持つ旦那として書いていこうと思います。
ADD や ASD によるミスややらかしを直す一番てっとり早いと(自分が勝手に思っている)方法は、習慣づけることかなと。
とくに ADD の方は、一定のルールに則って行動することは得意なのかなーと、自分の目には見えます。
たとえば忘れ物については、何をかばんに入れなければいけないか把握していないから忘れてしまうのかなと。
つまり逆を返せば、かばんに入れなければいけないものを把握していれば忘れないわけで。
よくその場でメモを取るといった対処法は目にしますが、妻の場合は Trello を使うことで忘れ物をしなくなりました。
以前はしょっちゅう財布を忘れていたのですが。
今は常にかばんに入れなければいけないものを Trello へ書いており、かばんに入れたものから Trello の欄を移す、という行動を習慣づけることによって忘れ物が随分改善されたみたいです。
鍵の閉め忘れについては、鍵を閉める練習をしたことによって改善されました。
具体的には、
- 玄関のドアを開ける
- 玄関のドアを閉める
- 鍵を閉める
という一連の流れを、声に出しながら何度も繰り返し練習してもらいました。
これによって確かに改善はされたのですが、妻の悪い癖で今は勝手に手順を改変しています。
現状は、
- 玄関のドアを開ける
- 玄関のドアを閉める
- エレベーターのボタンを押す
- 鍵を閉める
となっています。
これではエレベーターがない建物に引っ越してしまった場合、また一からやり直しになってしまいます。
加えて、エレベーターのボタンを押した瞬間に別のものに意識が移ってしまったら、鍵を締め忘れてしまう危険性があります。
妻からしてみれば『鍵を締める前にエレベーターのボタンを押したほうが少し時間を短縮できる』と思っているようですが、なんでそれが良くないとわからないのか…情けない…。
妻は今でも『本当に自分は ADD なのか?単なるうっかりさんでしょ』と思っているようです。
が、自分からしてみれば、ぶっちゃけ数年前から明らかに普通ではないんですよね。
自分の妻に対する態度って、一般的な夫婦のものとは異なっていると思っていて。
どちらかといえば娘に対するものであることのほうが多いと思います。
常に「電気を消しなさい」とか「床に物を置くな」とか「開けたら閉める」とか、ずーっと妻の行動に目を光らせています。
そうしないとあっという間に家が汚くなるし、犬が危険にさらされる可能性があるし、まじで冗談抜きで精神がすり減っています。
多分、こういうところがカサンドラなんだろうなと。
「ADHD の旦那を持つ妻はちょくちょく目にするけど、ADHD の妻を持つ旦那はめずらしいかも」と妻に言われましたが、どうなんですかね?
多分おそらく妻が ADHD だったとしても、それに気づいていない夫婦がほとんどなんだろうなーと思います。
自分はなぜか ADHD に関する知識を少しだけ持っていたので気づくことができましたが、一般的には妻くらいの感覚の人がほとんどなんだろうなーと。
今回のブログの内容についてはきちんと妻から書く許可をもらったので、ひとまず現状についてまとまりなくだらだらっと書いてみました。
また、今回ブログを書くに至ってカレー沢薫先生の なおりはしないが、ましになる の影響は大きかったです。
この漫画、ちょっと高いですが自分のことをうっかりやさんだと思っている人や、身内に ADHD っぽい人がいる場合は読んで損はないと思います。
正直読みやすい漫画とは言い難いですが、内容はめちゃくちゃ親近感が湧いて面白かったです、もうすでに 5,6 周は読んだかも。
タイトルがオチみたいなものですが、ADHD って治らないし、ADD に至っては薬もありません。
ASD も似たようなものである以上、あとは本人の意識と努力、あと周りのサポートがすべてなんだと思います。
自分もまだまだ ADHD や ASD に対する理解は浅いのですが。
また何か進展や問題があれば書いていこうかなーと思います。