飯系漫画考察

2020-01-10

動画制作と Web サイト制作に息詰まると、よく漫画を衝動買いするクセがあります。

基本的に展開が明るい漫画ばっかり読むので、飯系漫画も結構読みます。

そんな中で、どういう飯系漫画だと読んでいて楽しいか、何度も読む気になれるか、自分なりに漫画の方向性が見えてきました。


そもそも飯に対して、汚さとか、下品さを求めている人って誰一人としていないと思うんですよね。

汚さや下品さって、不衛生さやマナーの悪さを感じますし、見ていて気分が悪くなります。

なので漫画の中で、例えばキャラクターが箸を持つ場合に、汚い持ち方をするようなことって意図的でない限りはさせないと思っています。

いわゆる、食事マナーや所作が見ていて不快なキャラって、わざとそうしない限りはいないと思うんですよ。

にも関わらず、見ていて不快な飯系漫画って、決して少なくないのは、なぜなんだろうと不思議に感じました。


で、結論から言うと、飯シーンにリアルさを求めれば求めるほど、表現としては下品になっていくんじゃないか?と。

例えば、食べ物の咀嚼において、いわゆるクチャラーの人であれば、クッチャクッチャと下品な音を立てて飯を食べるわけです。

一方、漫画中の擬音において「クチャクチャ」とか「ペチャペチャ」などと書かれると、まぁ下品に見えてくるわけです。

じゃあクチャラーでない人が飯を食ってる時に立てている音って何なのか考えてみた時に、基本的には無音だと思っていて。

音を立てて食べる飯、ラーメンとかそばであれば、ずずーっとか、ずるずるっといった擬音が使えるわけですが。

リアルでは無音の飯であっても、漫画でキャラクターが何の擬音もなしに飯を食っているシーンが描かれていると、多分違和感がすごいと思うんですよね。

なので、漫画ではよく「もぐもぐ」という表現を目にするわけですが、表現がリアルな漫画になればなるほど「もぐもぐ」って表現が、違和感になってくるのかなーと。

その結果、リアルな擬音で表現せざるを得なくなって、結果的に下品に見えてくるのかなーと。


また、飯を食うという描写自体にも下品さを感じることが少なくないです。

そもそも日常において、人が飯を食べる動作をじっくり見ることなんてそうそうないわけです。

あってテレビや YouTuber のバラエティで、飯を食べているところくらいで、食事マナーが悪かったりすると、結構なバッシングを受けているのはめずらしくありません。

リアルな描写を行う漫画になればなるほど、ただ飯を食うだけの動作に、何コマも費やすわけです。

見たくもないキャラクターのリアルな口や汗、歯並びや舌などがピックアップされて、まぁ、気持ち悪いですよね。

そもそも、他人の咀嚼をそんなにじっくり見たいか?っていう、よほどのイケメンや美人ならともかく。


そして最後に、飯を食っているときに、そこまでいろんなことって考えないんですよね。

ハーモニーとか、舌の上で踊るとか、みんなそんなこと考えて飯って食わないわけです。

特に普段の飯なんて、ざっくり言ってしまえば美味しいか美味しくないか、もう少し突っ込んで、どう美味しいか何が美味しいか、そのくらいなわけです。

にも関わらず、リアルな表現をしようとする漫画では、やたら例えたりやたら具体的だったりやたら大げさだったり、やりすぎ感が半端ない。

『女子高生のくせになんでお前そんなに食に関する知識あんねん!?』みたいな表現をされると、見ていて冷めるよなーと。


視聴者が飯漫画にもとめているのは、安心感やくすっとする面白さ、日常感であって、誰もリアリティなんて望んでないよなーと個人的には思います。

その一方で、飯漫画が流行れば流行るほど、表現で差をつけることが求められ、具体性や独自性、非日常感が突出しがちになってくるのかな?と。

リアルな漫画であってもいいけれど、飯のシーンをリアルにしすぎると、気持ち悪さが出てきて、読む気が失せる。

そのうまーい塩梅が、飯漫画には求められているんじゃないかなーと思う、今日このごろです。


蛇足になりますが、おすすめの飯漫画をいくつか紹介をば。

以下、アフィリエイトリンクとなっております。


新婚よそじのメシ事情

著: 小坂俊史

小坂俊史先生の漫画はかなり読んでいるのですが、この漫画は半ノンフィクションのような内容で、ちょっとめずらしいテイストです。

結構人気があるのですが、人気も納得の面白さ。

40 を超えて結婚した男性漫画家の、独身時代と結婚時代のギャップ、性別の違いによるギャップ、生活してきた環境の違いのギャップなど、普段の食生活から感じる価値観の違いをリアリティをはさみつつも面白く落とし込む、斬新な漫画だなぁと。

飯漫画って 1 人の主人公の世界で終わるものが多い中で、夫婦という関係に焦点があたっているのも新鮮です。

めんつゆひとり飯

著: 瀬戸口みづき

面倒くさがりな OL が主人公で、めんつゆを使って手抜きご飯を作る 4 コマ漫画です。

結構多くキャラクターが出てくるのですが、どのキャラも優しい性格をしていて、読んでいて癒やされます。

起承転結がしっかりあって読み応えもあり、でもご飯なんてそんなにしっかり作らなくても良いんだよという、ゆるーい世界観がとても心地良く、つい何度も読んじゃいます。

個人的に、一番オススメな漫画です。

ギャルごはん

著: 太陽まりい

高校生のギャルが家庭科教師に恋する漫画で、結構ベタなストーリーです。

ただ、絵柄・ストーリーともに少し人を選ぶので注意。

あと、最近はラブコメ展開が強くて、飯要素が少ないのが残念です。

ベタベタなラブコメが好きな人におすすめです。

MOGUMOGU食べ歩きくま

著: ナガノ

自分ツッコミくまで有名なナガノさんのノンフィクション漫画です。

自分ツッコミくまが色んな観光地を巡って美味しいものを食べる、ただそれだけの漫画なんですが、これが面白い。

絵柄が可愛い一方で、たまに入る妙にリアルな描写の塩梅が良く、あっさりと終わらせない感じがとても良いです。

特に飯の描写がやたら美味しそうなんですよね。

ただ、2 巻は 1 巻よりも表現が誇張されていて読後感がイマイチでした、1 巻のみオススメ。

ひとりで飲めるもん!

著: コナリミサト

28 歳のエリートウーマンの仕事中とプライベートの 2 つの顔が描かれた漫画です。

仕事中に感じるストレスや誤解を、1 人酒の場で解消するという、ちょっとワカコ酒に似てる部分もある感じです。

ただ、絵柄がすごく可愛くて、1 話 1 話はさくさくっと読める一方、漫画全体を通して結構しっかりとしたストーリーになっているので、展開があるストーリーが好きな人におすすめです。

絵柄もストーリーも結構女性向けですが、自分は好きです、こういう漫画。

しょうゆさしの食いしん本

著: スケラッコ

これもノンフィクションですが、なぜか主人公はしょうゆさしという、ちょっと不思議な漫画です。

内容は日常にフォーカスした、結構しっかりとした料理マンガです、そこそこ真似できる漫画レシピがあるのも嬉しいところ。

全体的に表現があっさりしているので、嫌味な感じがなく、でも本当に美味しそうで、読んでいてお腹が空いてきます。

この前漫画レシピとして、揚げ春巻きを作ってみましたが、かなーり美味しかったです。

かなりオススメの漫画です。

ごはんのおとも

毎回主人公が異なっている、1 話完結型のストーリー漫画です。

優しい絵柄に優しいストーリーで、大人向けの絵本のような、優しさあふれています。

どのストーリーにも、1 品料理が絡んできて、飯の美味しさにフォーカスがあてられている漫画ではないのですが、話と話の間にある漫画レシピでやられます。

ストーリーをじっくりと感じつつも、隙間で料理を挟まれると、不思議な気持ちになります。

オールカラーなのがすごく効果的に使われているのも魅力な漫画です。

日曜日の背徳めし

健康ばかり気にしていられない!おっさんが簡単な料理をしつつガッツリと飯を食らう漫画です。

普段からそこそこ健康を意識した食生活をしているのですが、たまーにジャンクなものをかっくらいたくなる、そんな男心に素直になるとどうなるか?といった内容で、ついつい引き込まれます。

絵柄がすっきりとしていて、下品さを感じる一歩手前な表現が、ジャンク好きなおっさん感を引き立てていて、わかるわーと。

一方で背徳感の裏に潜むストーリーが、きれいなオチにつながっていて、1 冊にきちんとまとまっているのも良いです。

あと、ひよこのキッチンタイマーがうちのと同じでちょっとびっくりしました。

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